「なあっ、これもよくね!?カッコイイ!おおっ!こっちもカッコイイー!!」
「お前、そういう趣味だっけ?」
手の中で妖しい色を放つ髑髏のチャーム。こいつの好みとは把握していなかったが。
「そうじゃねーけど。カッコイイと思うのと、自分で身に付けたいと思うのは、別物だろ?」
「まあそうだな」
俺の目の前で忙しなくアクセサリーを品定めする姿に、先程の髑髏を重ねて想像してみる。どうにも不釣り合いだ。
やっぱりこいつには、普段通りに羽のアクセサリーが一番か。
「でもさー」
一つひとつ手に取って、あーでもないこーでもないと呟きながら、岳人は続ける。
「カッコイイと思うのと、好きな奴とお揃いにしたいと思うのは、同じでもいいよな」
「まあそうだな」
自分が気に入ったものを、自分が好きな相手にも、と思うのはごく自然なことだ。
「というわけだ。受け取れ」
「え?」
突然振り返って、ぐいっと目の前に突き出された腕に、思わず身を引く。こいつはいちいち動作がでかい。
俺はその手に握られているものを見つめた。
「クローバー……?」
淡い緑色で彩られた、小振りな四つ葉のクローバー。
一体どういうわけでクローバーをモチーフにしたアクセサリーになったのか。
「カッコイイのがOKなら、カワイイのもOKだよなっ!」
違う気がする。
「なんでそうなる」
「え、だってこれ可愛くね?」
「だからなんで可愛いのを選ぶんだよ」
「女子なら、可愛いから彼氏にもーってなるかなと」
「俺達は男だ」
「ならこれでいいじゃん」
『四つ葉のクローバーは幸福の象徴』
「な?」
異論は認めないと言わんばかりの笑みを向けられた。
「……好きにすれば」
「そうするー」
上機嫌で会計に向かう姿を、ついて行くこともせずに黙って見送る。その場に残った俺は、さっきまでアクセサリーが置かれていた棚を見た。
商品の説明が書かれた小さな紙切れ。そこに、さっき岳人が口にした言葉が書かれているのを見つけ、これのことかと納得する。その岳人が読み上げたものの下に、小さな文字で他にも書かれていることがあった。
「……こういうのを信じてるわけじゃねーけど」
『ぜひ恋人とおそろいで!ダブルで幸せ度さらにアップv』
付き合ってやるのも、悪くないか。
使用 10.03.12 - 11.03.04
up 11.03.04